|
●絵:畠中光亨 文:石井睦美 ●1800円+税 ●ISBN4-900708-55-0 平安中期の11世紀初めに、紫式部が書いた『源氏物語』の第 一帖。桐壷の更衣(更衣=天皇に仕えた女官で寝所にも待った)と帝との悲恋、そして、二人の間に生まれた皇子・光源 氏が十二歳で元服するまでを描いている。 桐壷の更衣は帝の 寵愛を一身に受け、そのため女御たち(女御=天皇の妃となった高位の貴族の娘で、更衣より身分が高い)の妬みをか い、苛められて亡くなった。二人の間には幼い皇子が残される。帝は、天性の美貌と学問・音楽の才に恵まれた皇子を愛し、皇太子にと願うが、ある時、高麗の人相見の予言を聞き、皇子を巨藉に下して「源」姓を与える。その後、帝は桐壷の更衣に生き写しの藤壷の女御と出会うが、源氏は、この藤壷をこの上なく慕うようになった...。 宮廷文化の雅な世界と個性的な登場人物たちが、宮仕えをしていた作者紫式部の目を通して、色鮮やかに描かれる。 |
|
|
●絵:入江酉一郎 文:太田治子 ●1800円+税 ●ISBN4-900708-57-7 日本なら誰もが知っている有名なおとぎ話。平安時代の前半、9世紀の終わり頃、作られたとされているが、確かな年代、作者ともに不明。 貧乏な竹職人の翁がある日、 竹やぶの中に一本の光る竹を見つける。竹筒の中には、 小さな女の子の赤ちゃんが...。かぐや姫(光りかがや く乙女の意)と名付けられたその姫は、無類の美貌と知性を兼ね備え、五人の貴族たちに求婚されるが、いずれ も現実不可能な難題を求婚者たちにもちかける。かぐや 姫と帝とのプラトニックな愛、生まれ故郷ある月の世 界への旅立ち、別れ...。 竹取物語が作られた頃、実在の人物を主人公にするのではなく、大うその物語「つ くり物語」が多数、生まれているが、この作品ほど親し まれ続けている物語は他に類をみない。荒唐無稽な話か ら、かぐや姫を取り巻く登場人物の描き方がとてもリアルで、生身の人間くささに満ち溢れているところに、そ の秘密があるのかもしれない。 |
|
●絵:林 潤一 文:岡田 淳 |
|
●絵:竹内浩一 文:小沢章友 |
|