鈴木 大拙(すずきだいせつ)
明治3年金沢に生れる。同24年、円覚寺の今北洪川、釈宗演について参禅。翌年東大戦科に入る。27歳でアメリカに渡る。この頃より仏教関係の著作を英訳刊行。大正10年、「終生無二の友」西田幾多郎の勧めで大谷大学教授となる。昭和11年ロンドンでの世界信仰会議に日本代表として出席。この時以来欧米諸国で講演。戦後はオックスフォード、コロムビア、ハーバード大学等で仏教哲学を講じた。24年文化勲章。41年96歳で没す。「禅と日本文化」Zen
and Japanese Cultureをはじめとするその英文著作は、E・フロム、A・インビー等多くの西欧知識人にも影響を与えた。
重松宗育(しげまつそういく)
1943年、静岡市(旧清水市)に生まれる。英米文学を学び、長く静岡大学教授としてアメリカ文学を担当した。
現在、承元寺住職(臨済宗妙心寺派)を務めるとともに、関西医科大学教授として、医学生のために、英語のほか、こころセミナー、全人医療学(心療内科)などを担当。
翻訳家としては、欧米への禅文化紹介書 A ZenForest(英訳禅林句集)、A Zen Harvest(英訳禅林世語集)、Zen
Haiku(英訳夏目漱石俳句)、Sun at Midnigbt(英訳夢窓疎石偽頒。ピュリッツァー賞詩人、W.S.マーウインとの共著)などがあり、とくにA
Zen Forest(1981)は、欧米で高い評価を受けた。またアメリカで、1987年度のアメリカン・ポエトリー・リビュー賞を受賞し、和書には「モモも禅を語る」、「アリス、禅を語る」(筑摩書房)などがある