子供が置き忘れた紙風船。海辺の町を楽しげに旅していった・・・。幼き日への郷愁と日本人の心の風景を描き続けた画家・谷内六郎さんが遺した18枚の油絵と自ら書き添えた詩的なストーリー。 ●没後、初めて絵本として刊行! ●童話作家/立原えりかさんの序文も収録
<編集長のメッセージ> 今年は、「週刊新潮」の表紙絵でお馴染みの画家、谷内六郎さんの没後25年、「週刊新潮」創刊50周年の年にあたります。 この作品は、谷内さんが生前、絵本として描き下ろした18枚の油絵と詩的なストーリーからなっています。 私はかつて新潮社に在籍し、ビデオ作品『谷内六郎&モーツアルト』を制作・刊行して以来のお付き合いから、夫人の谷内達子さんにこの『海と風船』シリーズのお話を伺い、すぐに出版を決めたのです。表紙絵や他の作品にはない伸びやかで明るいタッチ、詩のような文章も魅力的でした。 今年という大事なタイミングに、未刊行で遺されていた優れた作品を刊行できたことは、なにより幸いでした。
アートデイズ編集長 宮島正洋