CD1 |
新しい親子のあり方について 〈1989年講演〉(77分)
核家族化の進んだ日本では、家族構成の変化はもちろんのこと、住まいの造りや子供への接し方も、昔とはかなり違う。「プロの心理学者も悩んでいる」といわれるように、親子のあり方が難しくなっている。これからの時代、どのような親子関係が望ましいのか、長いカウンセラー経験から得た河合先生の考え方は傾聴に値する。(音源:新潮社) |
CD2 |
「そばにいるだけ」の深い意味 〈1998年講演〉(52分)
臨床心理士の仕事は、そばに「いる」ということがとても重要で、同時にそれは非常に難しく、修練しないとできないこと。それを突き詰めて考えると、仏教の教えに通ずるものがあるのではないか、と河合先生は言う。鬼と旅人の話やピカソの残した名言、さらに英詩「A THOUSAND WINDS」にもみられる「存在する」ことの哲学的な意味を考え、こころのケアに役立てる。(音源:国際日本文化研究センター主催特別公開講演会「働くことと在ること」) |
CD3 |
科学は人間を幸福にしたか? 〈2004年講演〉(55分)
急速に発達した科学や近代医学。それらは人間の心と切り離して研究したが故に発展したと言われる。しかし、現代においては、すべて人の心との「関係性」が重要になってくるのではないか?「ある医者と糖尿病患者の関係」「河合先生とクライアントの関係」を例にあげ、テクノロジーの発達した現代社会において、果たして人間は科学の進歩によって幸福になったのか? という問いに、河合先生が答える。(音源:財団法人国際花と緑の博覧会記念協会主催 第3回KOSMOSフォーラム「人間の科学」) |
CD4 |
生きるヒントがある 「物語」の中の男性・女性 〈1992年講演〉(47分)
「日本の昔話は、ハッピーエンドで終わる話が少ない」と、西洋人はよく言う。それは「夕鶴」に見られるような、哀しい結末になる話が多いということ。しかし日本の昔話にも、結婚してハッピーエンドの話はあるが、それらの主人公はすべて「女性」であるという共通点がある。『落窪物語』を例に、物語の中の男性と女性の在り方を分析し、そこから、生きにくい現代に生きるための知恵を探る。(音源:国際日本文化研究センター主催第2回東京講演会「物語における男性と女性」) |
CD5 |
現代人のこころの中の母性 〈2001年講演〉(44分)
全体を包み込む性質の母性と、区別し切断する性質の父性。これからの時代、必ずしも「母=母性」「父=父性」を持って生きることはないのではないか?「母性社会」である日本と「父性社会」である欧米においても、そのどちらも兼ね備えた社会が理想ではないかと河合先生は説く。(音源:甲南大学人間科学研究所主催2000年度学術フロンティアシンポジウム「現代人と母性」) |
CD6 |
文化は今の世の中を癒せるか? 〈2004年講演〉(58分)
モノが豊かになった反面、心に傷を負った人が増えた現代では「癒し」という言葉が流行語になった。しかし、本当に深く傷ついた人の心を癒すのは並大抵のことではない。河合先生は、音楽や絵画、俳句などの創作によって救われた人々の体験を紹介し、それら文化の力で混迷する今の世の中も救える、すなわち「癒せる」のではないかと説く。(音源:神戸女学院大学主催学生相談室20周年記念特別講演会「文化と癒し」) |